雑想

ジャン・クリストフ 1

「ああ!伯父さん」と彼は言った。「僕は苦しいんだ!」 「伯父さん、どうしたらいいんだろう?僕は望みを持った、そしてたたかった。だが、一年たっても、前と同じところにいるんです。それどころじゃない!あと戻りしちまったんです。僕はなんの役にも立た…

モンテーニュ3

よく見られることであるが、どんなに豊穣で肥沃な土地でも、遊ばせておくと様々な無益な雑草が生い茂る。 これを役に立てるためには、われわれの役に立つような何かの種子を播いてやらなければならない。 (…) 精神が何か自分を束縛し抑制する主題を提供さ…

ゴヤ 『聖イシードロの巡礼』

何の喜悦も感じられず、また暴動様の怒りもない。祭りの日の巡礼とならば、共通の目的がありそうなものなのに、それもない。 人間は無意味に口をぱくぱくやり、目の玉をぎょろつかせて荒野を目的なく彷徨する集団に過ぎない。 人生もまた生から死への無意味…

虚構について 『サピエンス全史』より

人類の祖先ホモ・サピエンスは、ある時期地球上に存在したもう1つの人類、ネアンデールタール人よりも背丈筋力、脳容量において劣っていたそうである。 個体同士の能力におけるネアンデールタール人の優越にも関わらず、我らが祖先たるサピエンスはいかにし…

ヨーダ について

ダースベイダーとルーク・スカイウォーカーの戦いを観て、私たちは当然のようにルークを応援する。ベイダーは秩序を、ルークは生命の豊かさを体現している。 体そのものまでもが機械化した、コテコテの秩序の化身たるベイダー。彼はなぜ「悪」として倒されな…